明けましておめでとうございます。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
さてこの年頭所感は、実は初出勤の日に私が弊社全社員に申し述べたものでございまして、これをご披露致しますのは、弊社社員に私見を確認させたいという思惑も兼ねておりますので、何卒ご寛容の上ご笑覧給わりますようお願い申し上げます。
『正月休暇中に、見るともなく見ていたテレビの中にこんなシーンがあった。まだ幼稚園児ぐらいの幼い姉と弟の二人が、生れて初めて二人だけでバスに乗って、○○町までお使いに出掛けることになった。二人は緊張してバス停まで来たが、先ず難問にぶつかった。目的地は○○町だが、どのバスが○○町へ行くのか分からない。しかし流石にお姉ちゃんはしっかりしている。バスが来ると乗り口から攀じ登るようにバスの床に上がって、前方の運転手に向かって大きな声で「このバスは○○町へ行きますか」と尋ねる。「いえ、行きません」と言われると、慌ててバスを降りる。これを二、三度繰り返した後、次に来たバスは「はい、○○町へ行きます」だったので、お姉ちゃんは手招きして弟を乗り込ませる。』
『さて乗り込んだはよいが、忽ち第二の難問にぶつかる。○○町が何番目の停留所なのか知らないし、停留所の名前の漢字も読めない。そこでお姉ちゃんはバスが停留所に停まる度に大きな声で
「○○町はまだですか」
と尋ねる。これを二、三度繰り返すと運転手も心得て
「オジサンがちゃんと教えてあげる」
とマイクで言うのだが、何しろ大人の男の太い声がマイクから流れてもよく聞き取れない。お姉ちゃんは相変わらずバスが停まる度に「○○町はまだですか」を繰り返す。こうなるとバスの乗客全員が、二人の子供の行き先は○○町であることを認識する。すぐ傍にいた小母さんが
「オバチャンが教えてあげるから安心して座っていなさい」
と親切に声を掛けてくれる。やがてバスが○○町へ停まると、乗客全員が協力して二人をバスから降ろし、二人は無事に○○町へ着いた。』
『この他愛ない光景に私は感銘を受けた。幼い二人特にお姉ちゃんは、弟の手を引きながら○○町へ行くために必死だ。そこで「○○町へ行きますか」「○○町はまだですか」子供の素直な大きな声が、バスの乗客全員を味方にしてしまった。』
『我々は日常色々な問題にぶつかる。と言うより人生は問題の連続と言っても差し支えない。その際問題を独りで抱え込まないことだ。とはいえ個人的な悩みとなると、早々あけすけに他人に言えない難しさはあるが、それでも猶、打ち明けられる人を探してでも吐き出した方がよい。まして仕事の上での問題となれば、独りで抱え込む必要は毫も無い。むしろ抱え込むことが事態を悪化させる事例は多い。我々はこれを防ぐために、日頃「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」をお互いの常用語として唱えているが、果たして抱え込みは100%解消されているかどうか。「報告・連絡・相談」を分かり易い一言で言えば、「ぶちまける」ことだ。ぶちまけたら誰でも助けてくれる。前掲のお姉ちゃんは問題解決のため「このバスは○○町へ行きますか」「○○町はまだですか」と大声でぶちまけた結果、乗客全員を味方に引き入れた。この一年、ひとつ「大声で、ぶちまけて」愉快にやり抜こうではありませんか。』
お得意様各位には、弊社社員の声が小さい時には、どうぞご遠慮なく叱り付けて下さいますようお願い申し上げます。
年頭に当り誠に僭越ではございますが、私の弊社社員へのメッセージをぶちまけまして、新年のご挨拶と致します。
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