生活文化づくりのシステムコンダクター片山鉄建株式会社
ek広場
2005年1月20日(351号)

■資源インフレと商品デフレ
 明けましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願い申し上げます。
さて昨年は、京都の清水寺恒例の文字選びで、『災』が選ばれたのが象徴しておりますように、天変地異、気候不順、更に不祥事件や殺人事件等々、気の滅入るような出来事が続きましたが、止めを刺すようにスマトラ沖の大津波で大変な災害が起こりました。辛うじてほのぼのとした気分に浸れましたのは、紀宮さまと黒田慶樹さんのご婚約発表と、アテネオリンピックを始め各種スポーツ選手の活躍ぐらいではなかったでしょうか。
 さて私達が携わる経済界特に鉄鋼業界の動向を眺めますと、昨年3月本稿第341号にて『デフレとインフレの共存』なる小論をご披露致しましたが、この状況は今猶続いているばかりか、益々ひどくなっているとすら思えます。
 先ず資源インフレを考えますと、北京オリンピック(2008年)・上海万博(2010年)を控えた中国の爆発の凄まじさは目を見張るばかりで、鉄鋼生産が2年間に1億トン以上増えているのです。1億トンと言えば略日本の鉄鋼生産量であり、鉄鋼に関しては2年間に日本が一つ出現したようなもので、忽ち原料の石炭と鉄鉱石が逼迫します。昨年暮に行われた新日鉄以下日本の高炉メーカーと、オーストラリアの石炭山元との交渉では、今年の強粘結炭の価額が前年比なんと2.2倍。それも従来なら数ヵ月掛けていた交渉が、僅か1週間という超スピード妥結。ということは、今は価額の問題ではなく、資源確保が最優先課題である証左です。今年早速行われる鉄鉱石の契約交渉も、相当厳しいことが予想されます。又、これらの物資を輸送する船舶も不足しており、このため海上運賃も高騰しています。鉄鋼業界は将に典型的な資源インフレという大津波に襲われたような様相を呈しております。この結果日本の鉄鋼業界の今年度のコストアップは、年間7〜8,000億円あるいはそれ以上とも言われています。7〜8,000億円と言えば、昨年度の高炉メーカーの利益があらかた吹っ飛んでしまう金額です。石炭や鉄鉱石の山元も増産に拍車をかけてはいますが、直ぐの間に合う筈はありません。この結果今年も亦新年度入りの4月から、鋼材価額は恐らく10,000円/トンは騰がるでしょう。
 ここでお断りしておきますが、以上の話題は溶鉱炉で鉄を造る高炉製品の話で、主として鋼板類に関する話題です。スクラップを原料とする電気炉製品(主として条鋼類)は、全く別の世界であります。但し世界的にスクラップも不足気味ですから、電気炉製品の価額も基本的には底堅い動きをすると思います。
 次に商品デフレを眺めますと、先進諸国の一般商品の供給過剰体質は解消されていません。平たく言えば、我々が日常生活をしていて、食糧とエネルギー以外買わねばならぬ物は余り見当たりません。にも拘わらずデパートにスーパーに、商品は溢れ返っています。売り手はなんとかして売り捌こうと、値下げ競争をします。従ってデフレは一向に解消しません。中国や東南アジアの土地の値段は、タダとは言いませんが人件費と共に超安値です。これが輸入品となって日本へ入って来ますから、ごく一部の大都会中心部を除けば、地方の土地の値段も騰がる訳がありません。かくして商品デフレは厳然として居座っています。ということは、従来の一般商品は『造っても売れない、売れても儲からない』時代が続くことになります。
 この資源インフレと商品デフレの綱引き、どちらが勝つか?資源インフレが勝ちます。現に高炉製品は今年も10,000円/トン騰がります。鉄鋼が1万円騰がると、自動車、電機、機械、造船、建築、土木…すべてに影響が出ます。これは押さえることができません。
 資源インフレで私達の仕入価額は否応なく騰がります。一方、商品デフレは厳然として存在しています。ということは、昨年と同じことをしていてはオマンマが食べられないことを意味しています。誠に難しい年明けを迎えていると申せましょう。
 ではどうするか?私達には沢山の大切なお得意先様がおられます。このお得意先皆様と今まで以上にがっちり手を組むことだと思っております。手を組む場合のキーワードは『情報の交流』であります。最終消費者のお客様の現場へ行けば、必ずと言ってよいほどお客様の不満が見つかります。世の中に不満のない商品やサービスはありません。お客様ご自身がこれらの不満を感じながら、表現されないことも多々あります。又不満は解っていても、どうしてよいか解らないお客様も多いと思います。これらのお客様の不満を解消し、より的確な、より良質の商品やサービスを提供できれば、そこに新しい商売の広がりが必ず生まれる筈です。しかし一口に的確・良質な商品・サービスの提供と言っても、自分ひとりではなかなか解決できるものではありません。そこで沢山のお得意先様と『情報を共有』し、共に知恵を絞って問題解決に当たれば、必ずや解決の糸口が見出せるものと確信致しております。又このように考えますと、商売の切り口は無限に広がるのではないでしょうか。
 この拙文をご覧頂いている皆様方も、お立場は同じだと思います。片山鉄建(株)は微力ながら、今年は徹底的に皆様の『情報交流のメッセンジャー』を勤めさせて頂き、お得意先様とのネットワークの上に共存共栄の実を挙げるべく、努力を重ねる所存でございますので、何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜わりますよう切にお願い申し上げまして、年頭のご挨拶と致します。


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