生活文化づくりのシステムコンダクター片山鉄建株式会社
ek広場
2006年7月20日(369号)

■『会社は誰のものか?(村上ファンドに思う)』


若手経営者グループの会合に幹事役として参加して、テーマを提供させて頂いた。標題がそのテーマである。それぞれ小なりと雖も流石に一国一城の主たち、忌憚の無い率直な発言には感銘を受けた。

I氏:
江戸時代には、必要以上の金儲けは悪であるという価値観があったようだ。ところが当節は何にでもお金が絡んでいる。政治、社会、家庭生活、どちらを向いても金、金、金・・・。現実に我々日常の商売も、金稼ぎは致し方ないにしても、今の若い人達の考え方に、金が万能という意向が強く見えるように思えてならない。一攫千金を夢見るホリエモンや村上ファンドを礼賛する風潮も垣間見える。今後我々自身チャンネルを何処に合わせるべきか。

Y氏:
新会社法がスタートした。これによれば法律上は少なくとも、会社は株主のものとなる。村上ファンドはやり過ぎて法を犯したから論外だが、法を犯さなければあれですんなり通ることになったかも知れない。
しかしアメリカ、ヨーロッパ、日本、夫々立場は違うと思う。最近偶々ベトナムのホーチミン市を訪れる機会があった。ここにも既に日本企業を始め外国企業が数多く進出している。ある日本の大手企業を見学したが、現地では日本の企業は喜ばれている。
それは日本の企業が従業員を大切にするからだ。韓国やヨーロッパの進出企業は、従業員を飽くまで使用人として使うので嫌われている。
ある人から聞いた言葉だが、
『「社員―お客―株主」この順序を間違えると会社はおかしくなる。』

U氏:
出資株主は会社の永続性を望む。これに対し短期株主は短期に利益を追求し、会社の永続性などを望んではいない。会社も法人であり生き物である。阪神電鉄の場合、村上ファンドは短期株主であり、阪神電鉄の土地の含みを直ちに金に換えて利益を出そうと主張する。そこには阪神電鉄の長期の経営や永続性などの考えは全くない。

N氏:
企業は公器であり、決して潰してはいけない。最近は余りにアメリカンスタイルが蔓延し過ぎているように見える。
 ここのところ資材インフレ下に、高炉・転炉は突っ走っている。造船・建機・自動車・IT関連などは多忙である。その影響で我々も忙しいが、買手の需要家は相変わらず価額に厳しく、忙しい割りには儲からない。

K氏:
昔、田中角栄の金主と言われた国際興業社主の小佐野賢治氏が、「何故株式を上場しないのか?」と質問された時、「株式を上場するような恐ろしいことはしません。何時乗っ取られるか分からんから。」と答えている。世間にはサントリーや竹中工務店など、未上場でも立派な会社も数多くある。
今後アメリカ資本に買い占められる企業もどんどん出てくると思われる。それを思うと株式会社はやっぱり株主のものと思わざるを得ない。

W氏:
私が入社した(当時は入社したと言うよりも丁稚奉公したと言う方がぴったりだった)時、社長から「お前、金が無いのは首が無いのと一緒やぞ。」と言われたことをはっきり覚えている。私はお金というものは「額に汗したお金でないといかん」と思っている。ホリエモンや村上ファンドは小泉首相の規制緩和の結果であり、果ては日銀の福井総裁までが出てくるに到っては、お金の足が地についていないと言わざるを得ない。

最後に幹事役としての締めくくりを求められて、私は以下のように発言した。

『会社は誰のものか?を考えるには、会社が潰れた時のことを考えるのが解り易いと思います。会社が潰れた時に誰が困るのか。先ず従業員は路頭に放り出されて真っ先に困ります。株主がこれら従業員の面倒を見てくれますか。そうはならないでしょう。従業員ばかりではありません。会社が潰れると、仕入先、販売先、金融機関、その他会社を取り巻くすべての関係者に迷惑を掛けることになります。となると会社は天下の公器です。断じて株主だけのものではないと思います。
村上ファンドは、自分が集めた資金(出資者の金)を短期に如何に増やすかを目的としており、U氏ご指摘の通り阪神電鉄の株を買い占めても、目先の株の値上がりさえ確保できればさっさと売り逃げて後は野となれ山となれで、阪神電鉄の永続性や将来性など全く眼中にありません。これを見ても会社は株主のものという論法には疑問を感じます。しかし現実には大買収や合併(M&A)の流れは益々強くなる様相を呈しています。
幸いにご出席者皆様の会社は、上場されている訳ではありませんので、これら上場会社の煩わしい問題に関わる必要は全くなく、中小企業の強みを思う存分発揮して頂きたいと念願する次第でございます。』




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