生活文化づくりのシステムコンダクター片山鉄建株式会社
ek広場
2007年12月20日(386号)

■難民の闘志


 自分が見ようとする番組(それもニュースやスポーツ番組が多い)以外は、普段あまり見ないテレビだが、半月ばかり前のこと、偶然眺めたテレビ画面に大変な衝撃を受けた。偶然眺めたこととて、それも僅かな時間なので、ほんの束の間の出来事である。恐らく混乱のさ中にある中東地域からの放映だと思われる。多くの難民がひしめく中を銃弾が飛び交い、連日大勢の犠牲者が出ている地域での取材である。小さな子供を抱え、地面に座り込んでいる初老の婦人に、取材班が問い掛けた。

『ご主人は何処におられるのですか。』
『主人は死んだよ。子供も死んだ。』
『ご主人も、お子達までもが亡くなっては、嘸かしお淋しいことでしょうね。』
この問いに対し初老の婦人が答えて曰く、
『少しも淋しくはない。ここにいる大勢の難民は、みんな夫や家族を亡くした同じ運命の人達だ。自分達は唯平和を願っているだけだ。自分達は自分達の生活に平和が戻るまで、何としても戦い抜かねばならない。』

難民達は何も悪いことはしていない。なのに銃弾・テロ・盗難・拷問・略奪などの中をさ迷っている。こんな悲惨な状況が、まだまだ世界各地に存在することは、情報として知らされてはいるものの、テレビで生の映像を突きつけられると、本当に胸が痛む。難民達が戦うと言っても、彼女等に武器は無い。しかし武器無き戦いは、犠牲も多いが、一面これ程強い戦いはないと思う。彼女の表情には鬱勃たる闘志が漲っていた。唯々彼女等に一日も早く平和が訪れることを祈って止まぬばかりである。この偶然の束の間のテレビ映像は、私の胸に鋭く突き刺さったのである。


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